2018年1月31日水曜日

5インチゲージ  台車の製作(その2)

歯車追加工


5インチゲージの吊りかけ駆動装置に用いる歯車の

(1)穴径拡大加工
(2)ボス部の加工

を行いました。


1.小歯車(KHK SSY1-16A)
 
    穴径をΦ8に拡大

  (1)芯だし
  芯だしは穴と端面を利用して行いました。

穴でブレを見ています。


端面でブレを見ています。

  (2)ドリルによる旋削


    ボス部を3つ爪チャックで加えてみたら、なんとピックゲージの針振れが3メモリ(0.03mm位)程度までおいこめたのでそのままドリルで穴を拡大してしまいました。

 8mmのリーマーを持っていないのでドリルのみで仕上げとしました。

  (3)ボス加工


歯部を加えての芯だし。

  4つ爪チャックに替えました。時間はかかりますが、4つ爪チャックの方が芯が出ます。
  ボス部を切削して 幅15mm → 12.5mm に切削。

2. 大歯車 (KHK SSY1-95A)
 (1) 芯だし
大歯車は、外径で芯だしを行ってみました。

  写真のようなセッティングで、歯をゆっくり正回転方向に手回していきます。

  ピックゲージの針がピクンピクンと動きますが、うまくいきました。


  KHK
の資料には、
  のように書かれています。

  刃先を使うのは自己流です。ピック式ダイヤルゲージが痛むのも心配です。
端面も調べます。

  (2) 穴径をΦ17に拡大


キー溝があるので、中ぐり切削は断続切削となります。

  少しずつ削っていき、現物合わせで仕上げました。

  公差に合わせて止まりゲージも作っておくべきですが、歯車の加工を試してみたくてΦ1 7の手持ちの工具を現物のシャフトに見立てて加工してしまいました。



(3)ボス加工・・・ベアリングの外輪と接触しないように段差をつけます。

  芯だし、切削ともに写真撮り忘れました。
端面は精度を気にしないので、気楽に切削しました。


 チャックを閉めすぎると当然歯に傷がつくと思います。アルミ板などのあてがねをした方がよいと思います。


完成した大小歯車です。

今回購入した歯車は黒染め処理されてます。

防錆目的だそうですがKHK(小原歯車工業)標準歯車のシンボルカラーでもあるそうです。
組み立てる時に切削した部分も塗装しようかなー。


【追記】

2015年2月2日

http://andromeda.plala.jp/wordpress/?p=1150
2回目の歯車追加工の記事があります。併せてご覧ください。


2018年1月30日火曜日

5インチゲージ  台車の製作(その1)


吊りかけ装置の製作



5インチゲージ用の吊りかけ駆動装置を自作してみようと思い、

以下のようなものを考えました。




動画が   http://youtu.be/evRb-HcBQDo  にあります。





 

 正面方向からみるとバックゲージ119mmにぎりぎり収まっていることがわかります。


モーターが大きいので、多段減速するスペースが確保できません。


ベアリングのフランジとカラーでモーターユニットのアキシャル方向の動きを制限しています。



※フランジ付ベアリングとセットカラーの価格および、シャフトへの傷を考えると、

モーター支持プレートにワッシャをネジ止めしてストッパーとする方がよいかもしれません。



使用パーツ

(1)モーター


モーターは、トランジスタ技術2013年1月号で紹介されている津川製作所KM77です。





DC12V、70W、0.27N・m、2500rpm、シャフト径8mmです。

3D CADは津川製作所のホームページからダウンロードした図面をもとに描いてあります。



(2)歯車


    平歯車モジュール1





小歯車 KHK SS1-15 を長さをつめて使用


(またはSSY1-116Aシャフト径8mmに加工)


大歯車 KHK SSY1-95Aを内径17mmに加工


ギア比 約16


 モジュール0.8の歯車を使えば1段でももう少しギア比を大きく

できるのですが、モーターのシャフト径8mmで使える良いギア比

のものが見つかりません。


(3)ベアリング

    MISUMI FL6803ZZ( フランジ付 )


(4)セットカラー

    岩田製作所SC1713CB3等が使えます。自作するより安いかもしれません。


※現在購入済は、歯車のみです。


   津川製作所のブラシレスモーター

   

  100w2500rpm、0.38Nm、直径65mm、長さ60mm

も気になります。


ブラシレスモーターを使いこなせればこちらの方が良いと思うのですが。




左が津川製作所のKM77,右が津川製作所のブラシレスモーター。


トランジスタ技術131月号しっかり読んでみようと思います。


 さて、ここまで進めてきましたが、この駆動装置でどの程度牽引できるのでしょう





2018年1月25日木曜日

Proxxon MF70のCNC化(4)3Dパーツ印刷


6.分解・組み立て(2)


3Dプリンターでパーツを印刷しました。

材料は反りが出にくいPLAを選びました。



充填率は20%です。




積層ピッチは粗目の0.30mmです。

1個印刷するのに3時間位かかりました。


印刷し終わったメインパーツです。6パーツです。



感触では強度もそこそこにあるようにかんじられますが、強度不足の場合はデザインを変えなければなりません。温度特性も心配なところです。



赤丸部分の真鍮で作ったカラーが微妙に太すぎて、オレンジ色のカバーの青丸部分に裏側で接触してしまいました。

分解したとき出た、余ったカラーを代用しました。初めからそうすればよかった。






ガタがなくなるようにネジを締めていきます。Y軸です。
空回りしないようにカラーにボルトを通しています。


X軸です。




X,Yテーブルが完成しました。

でも・・・。オレンジのカバーを付け忘れています。

やり直し・・・・。がっかり。




カバーを付け、リミットスイッチも付けました。




真上から見た様子です。






次はコントローラー部の製作です。



Proxxon MF70のCNC化(3) X,Y,Z分解・組立





Z軸のリミットスイッチを残して機械部分の改造組み立てが完了しました。




Z軸のリミットスイッチは位置可変式にしたいと思っています。
しばらく様子を見てから組み込むつもりです。



5.分解・組み立て(1)



分解・組み立ては作業に夢中になってしまい、写真があまりありません。



ナイロンナットのナイロンの色が青い(左)のは左ネジ用、白い(右)のが右ネジ用です。Y軸とZ軸に左ネジが使われています。



X,Y,Z軸ともM6の寸切りネジですが、バックラッシュ対策のためかほんの少しだけファットに仕上げられているようです。そのため、市販の寸切りネジと比べるとナイロンナットがきつく回りにくかったです。


ピン抜きを購入しました。作業が楽に出来ました。




X軸です。





Y軸です。




Z軸です。



Z軸は、レンチを工夫しないと作業できません。

インターネットを検索すると、MF70のZ軸用のレンチの3Dプリンター用データが見つかります。私はこれを印刷して分解に使わせてもらいました。上手くできていると思いました。

しかし、私の場合、組み立てには使えませんでした。予想以上にナイロンナットがきつく、3Dプリンターで印刷したレンチでは空回りしてしまい作業できませんでした。

そこで、十字レンチをカットして、フライス盤で溝を切り、上の写真のように使いました。




ヘッド部です。






コラムの中は空っぽです。(もったいない。)




Proxxon MF70のCNC化(2) 3D CADによるパーツデザイン


4. Proxxon MF70 CNC化のデザイン



Proxxon MF70 CNC化のデザインが固まりました。

今回のデザインの方針は

(1) なるべく本体を改造しない

(2) 3Dプリンターで印刷し、機械加工を極力減らす。

(3) 部品点数を減らす。

です。

MF70はタイトな設計なので、干渉を避けるのが大変でした。

以下はCADの様子です。


【X軸】


持っているplaフィラメントがブルーなのでブルーになる予定ですが、グレーもいい感じです。


組みあがるとこんな感じになります。

(左端のパーツは組まれていません。左端のパーツは リミットスイッチを付けるためだけに使います。)

【Y軸】

構造はX軸と同じなので、アッセンブリは省略しました。



右の図は後端のパーツですが、後ろから見た図になっています。

【Z軸】

Z軸は、本体の上に帽子をかぶらせる簡易な構造にしました。





本体への加工を避けるために、ベアリングは入れません。オリジナルのままです。

【ワッシャ】



X、Y軸のベアリングを受けるワッシャです。




2018年1月24日水曜日

Proxxon MF70のCNC化(1) 方針、GrblContller、EasyDriverの動作実験


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以下は2016年3月に”(h)ttp://andromeda.plala.jp”に掲載したものです。


1. Proxxon MF70の購入


 ホームセンターでとても可愛いフライス盤を見つけました。テーブルがガタなくスムーズに動きます。バックラッシュも感じられません。お値段は3万3千円ほど。
早速インターネットで検索すると、このフライスをCNC化して楽しんでいる方が世界中に大勢いることを知りました。実に面白そうです。
通販だと2万5千円程。品質的にも2万5千円ならお買い得です。購入しようとしましたが、どこも現在品切れの様子です。
無いとなると今すぐ欲しくなります。子供と同じです。最初に見たホームセンターで購入してしまいました。



これです。



2.CNC化の方針


購入してから"自作CNC"についていろいろ調べました。
・CNCソフト
・ステッピングモータドライバ
・CADデータからCNCフライス用Gコードを生成するソフト
・バックラッシュ対応策
・ステッピングモータとテーブル駆動軸の結合方法
・リミットスイッチの付け方
などです。凡そのことは分かりました。

 本体が超ミニサイズのフライス盤ですから、CNC化も超ミニコストにしたいところです。ソフトはフリーのものを活用させていただきます。
LinuxCNCというソフトが、Mach3のようにソフト上でバックラッシュをキャンセルできる、現在、唯一のフリーに使えるコントロールソフトであることが分かりました。
LinuxCNCは複数のモータドライバーやセンサーとの間のリアルタイム通信を前提としてつくられているので、パラレルインターフェースが無いパソコンでは接続できないのだということがわかりました。Mach3も同じですね。今どきのノートパソコンにはパラレルインターフェースはついていませんので残念です。

しかし、このパラレルインターフェイスの問題を解消する方法として
(1)ワンボードマイコンであるBeaglebone上にLinuxとLinuxCNCをインストール
(2)BeagleboneのI/Oに直接ステッピングモータドライバーを接続
(3)BeagleboneとUSB接続したWindousPCの画面上からLinucCNCをコントロール
すればよいという情報をネット上で見つけました。

なるほど、"Beaglebone + LinuxCNC" でバックラッシュに対応できそうです。
光が射してきました。

ですが・・・Beaglebone + LinuxCNC は、私にとって敷居が高いです。


【方針の決定】
 MF70のスライド機構は、固定された特製のナイロン製ナットと寸切りネジの簡単なものですが、ナイロン製ナットを使っている関係でバックラッシュをほとんど感じません(0に近いが、たぶん0ではない程度)。なので、Beaglebone + LinuxCNC は見送り、先ずはできるだけ簡単な方法で動かして全体像をつかむ



3.実験


フリーソフトを使って、USB接続でCNCを動かすには

(1)PCからUSB経由でArduinoに送られてきたGコードを
(2)Arduino上にインストールされたGrblがステッピングモータ駆動のためのパルスに変換し、ArduinoのI/Oピンに出力
(3)モータードライバーはArduinoのI/Oピンからパルスを受け取りステッピングモータを回す。

という手順がオーソドックスなようです。
先ずはこれを試してみたいと思います。


【実験1】Gコードに合わせてステッピングモータを動かす。

目 的
⦁ モータードライバーとはどういうものなのか実体験して確かめる。
⦁ PCからステッピングモータまでのデータの流れを体験する。

準 備
⦁ PCにGrblContllerをインストールしておく。








Arduino上のGrblと連携してPC上で動くフリーのCNCコントローラーをいくつか試してみましたが、GrblContllerがグラフィック的によくできている印象を受けました。

Grbl_settingをMF70の仕様に合うように書き換えておきます。ちょっとだけ計算もありました。ステッピングモータについて勉強したことが役立ちます。

⦁ ARDUINO UNO
GrblをARDUINO UNOに転送しておきます。

日々 ほげほげ研究所」さんのホームページ(http://theoriesblog.blogspot.jp/2015_02_01_archive.html)にGrblのインストールの方法が詳しく説明されており、参考にさせてもらいました。)

Grblのピン割り当ては、https://github.com/grbl/grbl/wiki/Connecting-Grbl に詳細があります。

⦁ EasyDriver 3個



ネットにデータが多く。使い方もEasy?
使われているドライバーICA3967SLBの特徴は
が参考になりました。





⦁ 2相バイポーラステッピングモータ  3個


1個980円。とてもいい品物です。格安なので助かります。



⦁ モーター用の電源
    PC用電源アダプター19V-2.64Aを使用


⦁ 実験用のGコード

                ネットから借用しました

⦁ 測定器具

                テスター



実験 & 結果
                    以下は今回の実験の様子と結果です。
   
全体の構成です。



     https://www.youtube.com/watch?v=9f72I3uJKYs&feature=youtu.be


EasyDriver上のVoltage Regulatorの半固定抵抗を回して

モータのコイルにかかる電圧を調整し

電流をコントロールすることができます。

(クリックすると動画になります。)




使用したステッピングモータKH42JM-851は1相あたりのコイルの巻き線抵抗が6.6Ωで定格電流が0.85Aですから、電圧は6.6Ω×0.85A=5.61Vとなります。EasyDriverは5Vまで出せます。モータよりドライバーの方が若干弱いということになると思います。


ドライバー基板上の2つのICの温度を測定してみました。

上の写真では70℃を示していますが、実際はどちらのICも80℃~90℃になりました。アチッという感じですごく熱いです。

使用されているIC A3967SLBには"ヒステリシスを伴うサーマル シャットダウン機能"が備わっていて、放熱器なしで使うことができる設計のようです。

しかし、はんだが溶けたらと思うと怖い。放熱器をつけたくなります。

脱調しない範囲で、なるべく少ない電流で使うのがよさそうです。

https://www.youtube.com/watch?v=h0LeK9YnRb0&feature=youtu.be





この実験の目玉です。

Gコードに合わせてステッピングモータが回ることを確認しています。

(クリックすると動画になります。)




ここまでは上手くいったようです。

ネット上にフリーソフトや情報を提供されている方々に感謝します。






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2018年1月22日月曜日

小さなハイトゲージの製作

過去(2013年12月)に”(h)ttp://andromeda.plala.jp”に掲載した記事を1つにまとめたものです。


 ノギスを使った手のひらサイズの自作デジタルハイトゲージを製作しました。

小さいですが、とても扱いやすく重宝しています。
高さ120mm位まで測定できます。


 旋盤とフライス盤を購入して間もないころに製作したもので、MADE IN ***** の格安ノギスを使用しています。



 (1)ノギスのジョウとクチバシの切断

 初めてのステンレスの切断です。
曲りなりにもステンレスということで、ちょっと奮発して海外製の金鋸の替え刃を購入して切ってみました。


 新品の刃なのに滑ってあまり良く切れません。とても時間がかかりました。

続いて、ダイヤモンド粉がついている鋸刃を購入して試してみました。


何とか切れましたが思ったほどではありませんでした。

最後は、日本製の鋸刃を購入してみました。 


なんと、これが一番良く切れました。
切っていて、一番サクサク感を感じました。心地よく切れたので写真撮影を忘れてしまいました。
価格は使用した3種類の中で一番安かったです。
実際に使ってみないとわからないものです。





(2)ベース部の製作
ベース部はss400で作りました。

 
 手作りのフェイスカッターを用いてフライス盤で外形を切削した後に、旋盤で穴あけと中ぐりバイトによるテーパー切削を行いました。 


  センタリングドリル


Φ10の穴あけ


この後に中ぐりバイトによるテーパー切削をしました。
(写真はありません)



スケールをグリップするパーツです 





グリップ部のタップ立てです。



 すり割りです。


2年後に分解してみたら、締め付けによる荒れが目立ちます。

 テーパの雄雌は刃物台の角度を崩さずに一気に作らなければならないのですが、製作手順が悪く角度を崩さなければならなくなってしまいました。そのため引き込みの具合が悪く、角度を4°から8°に変えて切削し修正しました。穴の径も設計図より大きくなりました。





(3)ジョウ、スクライバー、微動送りの作成、組み立て


 スケールの下部をエンドミルで整形します(赤枠内)
スライダーに固定する部材アルミのアングルから現物合わせでつくります。

 ジョウとスクライバです


 エンドミルの刃先の長さ不足で縦に削れずRがついてしまいました。
すり割りでやればよかったかなぁー。
でもボルト1本でしっかり固定できました。ぐらつきません。



微動送り部です



送り車はホームセンターで購入しました。
摺動部はりん青銅の板でつくりました。
   
全てのパーツが揃いました。



組み立てます。 
定盤の上でスコヤをあてて各部直角が出るようにしっかりねじを締めていきます。






    
愛着のある一品になりました。
錆が出ないように油をしっかり塗っておきます。

2013年12月

Centaring Camera(芯だしカメラ)の製作 (その4)

光軸ずれ補正プログラムの使い方と開発 本題に入る前に少し遊んでみました。 千円札の野口英世の瞳です。 この瞳の中心にセンタリングすることも可能?です。 拡大鏡としても使えるなぁー。 (使用カメラはELECOM UCAM-DLK130T...