ベアリングホールの切削
レーザー加工業者に問い合わせたところ、問い合わせ先の機械の精度は±0.5mmということでした。
現役時代に職場の同僚からもらっていた問い合わせ先の切断サンプルの穴径を測定した結果、径の誤差がプラスに振れることはないだろうと判断し、期待値Φ32.00mmのデータを送付しカットを依頼しました。
送付したDXF形式の図面です
プレートが届くまでの間に、治具を製作しました。
素材はΦ35のS45C黒皮丸棒からの削りだしです。
先端は5°のテーパーになっています。
治具の使用目的は
1.ベアリングホールのセンタリング(5°のテーパーで対応)
2.ベアリングホールの限界ゲージ(Φ31.95(通り)、Φ31.99(ねらい)、Φ32.03(止まり)の3段)
2.ベアリングホールの限界ゲージ(Φ31.95(通り)、Φ31.99(ねらい)、Φ32.03(止まり)の3段)
の2つです。
ゲージの寸法はベアリングの外径はΦ31.97です。
Φ31.95がぎりぎり通った時点で中グリバイトの刃を0.01mm手前に引けば内径が0.02mm大きくなるのでΦ31.98~31.99をねらえるだろう。Φ32.03では大きすぎるので絶対にΦ32.03は通さない(止まりゲージ)
という算段です。
旋盤にはデジタルスケールをつけてあるのだが・・・
使用している旋盤の刃物台の送りが1メモリ0.025mmなので0.01mmは2/5目盛りです。
内径を0.01mm大きくしたければ0.005mmすなわち1/5目盛です。
私の旋盤にはノギスを加工した自作のデジタルスケールもついています。しかし、デジタルスケールの最小目盛りが0.01mmなので、0.01mm以下の送りはダイヤルの目盛りに頼ることになります。最終的には目分量です。
製作の結果はΦ31.96、Φ31.99、Φ32.04の3段となりました。
1本1000円足らずの**製のデジタルノギスなので絶対精度は望めません。
でも、相対的な差は計測できています。安いので気楽に使用しています。
「高品質な日本製のデジタルノギスが欲しいなー」。
7月30日にプレートが到着しました。
送付したDXF形式の図面に重ねるとピッタリ重なります。切り口もとても綺麗です。
Φ32.00がΦ31.86程度の、真円と思える綺麗な円です。
レーザーの精度はなかなかなものです。
計算通りにいくならば、Φ32.14で図面を描けばΦ32.00の穴になるということなのでしょうか。
早速 旋盤に面板を取り付けて切削開始です。初めての面板作業です。
センタリングしています。
治具を使ってセンタリングします。冶具の先端は5°のテーパーになっています。
ミクロン単位でのセンタリングは困難な作業です。
バイトを軽く当てて、かする音を聞いて7割くらいかするところでOKとしました。
バランサーをつけます。
ありあわせのものをバランサーとして使いバランスをとるのもこれまた至難の業。無理でした。
回転を上げると旋盤が振動します。
事前に勉強しておくべきことでした。
写真に撮ると高速回転しているように見えますが、120~150rpm位の低速です。
治具と現物(ベアリング)の両方で確認しながら慎重に切削し、ちょっときつめだが押し込めば入るというところで終了しました。圧入の一歩ゆるめというところでしょうか。
before、afterです。
ガタなく、ぴったりと収まりました。とてもいい感じです。
次は組み立ててギアの調整です。
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